おかげさまで創立70周年を迎えました
皆さま、元気でお過ごしでしょうか。一昨年来から続くコロナ禍に加えロシアによるウクライナ侵攻という、かつてない不安定な社会情勢にある今日この頃でありますが、杉並区社会福祉協議会は令和4年4月18日、創立70周年を迎えました。
これまで杉並社協は、昭和27年4月に東京都内第一号として設立されて以来「ささえあう地域づくりが仕事です」を理念として、区民の皆さまとともに地域福祉の充実に力を注いでまいりました。この70年の間、区内の社会状況は大きく変化しました。人口規模は、30万人台から50万人台に増える一方、少子高齢化が進み世帯規模が縮小するなど中身が大きく様変わりしました。三世代が共に暮らす世帯が少なくなり、高齢者の一人世帯が増えました。福祉をめぐっては、国民皆保険・皆年金の創設にはじまり、介護保険制度の実施や最近の保育ニーズの高まりなど、70年前とは比べようもなく仕組みが充実しました。それゆえ私たちの暮らしは便利になりましたが、その一方でご近所付き合いの機会が減ってしまったことなど失われたものも少なくありません。
このような社会変化の中で杉並社協は、70年間、区民の皆さまと共に支え合い助け合う地域社会をつくるべく活動してまいりました。設立当初はわずかな職員で福祉事務所の一部をお借りしてのスタートでしたが、地域福祉活動の充実とともに区などからの受託事業が増える中で、事務所は出先の事務所までもち、組織体制は非常勤職員を含め100名を超えるまでに大きくなりました。社協の存在、役割は、以前にも増して期待されるところとなっています。
いま、地域での福祉課題は、ダブルケアや「8050」、ヤングケアラーなど高齢者福祉や児童福祉といった一つの福祉分野で収まらない複合的で重層化したものが多く見受けられます。また近年は、大きな災害が多発し、積み重ねてきた日常の暮らしやつながりを急に失う事態も少なくありません。こうした個々の問題や複数の方に起こりうる地域課題を解決していく上で、杉並社協には、長年取り組んでいる地域の方々との共助の仕組みづくりとともに、解決に向けて関連する機関を巻き込み調整する力が求められています。その期待に応えられるように、福祉の専門集団としてのスキルをしっかりと磨き、区民から頼られる存在として力を発揮していくように、組織一丸となって頑張ってまいります。
令和4年4月18日
社会福祉法人 杉並区社会福祉協議会
会長